【国頭】国頭村宜名真の秋の風物詩となっている、フーヌイユ(和名シイラ)の天日干しが始まっている。
例年この時期に宜名真漁港内で開催する「フーヌイユまつり」は、今年もコロナ禍や集落の高齢化、人手不足などの諸事情により中止となった。それでも、今月に入り漁師らはいつも通り、約300年続くといわれる地域の伝統漁法のフーヌイユ釣りに取り組んでいる。
16日には、浦崎光男宜名真区長(56)の呼びかけにより、本格的な操業と魚の解体作業の始まりとして漁師や区民らが宜名真漁港に集まった。漁船5隻は、午前6時ごろに宜名真漁港を次々に出港。沖にあるパヤオ(浮き魚礁)の周辺で釣り上げ、約2時間後に帰港、前日の水揚げを含め約60キロが水揚げされた。フーヌイユは地元の漁師や区民によって3枚におろされ、約1時間塩漬けした後、風通しのよい場所ですだれ状にして2日間天日干した。
今年は、水揚げ量の状況を確認しながら、天日干し3千円の700グラム入りパックと、魚の身を切り出した後に残り、天日干しに使用しない、頭や骨の部分のアラ(冷凍)の1キロ入りパック500円を11月初旬から宜名真共同店で販売する予定。
まつりは中止になったが11月初旬から約1カ月間、同区公民館でフーヌイユに関係する展示物を掲示する。入場無料。
浦崎区長は「フーヌイユを買いながら宜名真区へ遊びにきてほしい」と話した。
(新城高仁通信員)