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「戦争は残酷」学びを発表 南風原町の小6生 8人、広島、京都で研修も


「戦争は残酷」学びを発表 南風原町の小6生 8人、広島、京都で研修も 4月から学んできたことを第29回子ども平和学習交流事業の研修報告会で発表した小学6年生8人と関係者=10月13日、南風原町の南風原文化センター
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 【南風原】南風原町が主催する第29回子ども平和学習交流事業の研修報告会が10月13日、同町の南風原文化センターで開かれた。事業では、町内の小学6年生8人が4月から1年かけて戦争と平和を多方面から考える。これまでに沖縄戦、広島原爆、松代大本営壕、朝鮮人軍夫、ハンセン病、ホロコーストなどを学んできた。8人は報告会で「戦争は悲惨で残酷、一般の人も巻き込む。絶対に駄目だ」などと発表した。
 宮城志帆さん=翔南小6年=はハンセン病について発表した。感染力が弱いにもかかわらず隔離政策が続いたことで「ますます差別や偏見につながったんだろう」と指摘。7月に名護市の沖縄愛楽園を訪問したことに触れ「納骨堂から、故郷に帰れず家族とは二度と会わないと約束させられた苦しみや悲しみが伝わってきた」と話した。
 事業では7月末に京都、広島を訪問する県外研修も実施した。古堅由夏さん=同6年=は、戦争中に労働力として連れてこられた朝鮮の人々が多く住んでいたウトロ地区(京都)を訪問したことを紹介した。戦後も1988年まで水道もない劣悪な環境で生活したことを伝え「ウトロの人への差別に驚いた。私は差別をしないようにしたい」と誓った。
 県外研修では京都の高校生と交流した。野里斗愛さん=南風原小6年=は、差別や偏見について高校生と意見交換したことを発表した。「差別や偏見は怖いという考えから起こる。自分の知らないことを知ることが大切という意見があった」などと報告した。
 報告会は10月12日の「町民平和の日」に合わせて開かれた。赤嶺正之町長、金城郡浩教育長をはじめ、学校関係者や保護者らが聴講した。
 (岩崎みどり)