【うるま】日本音響学会音楽音響研究会(三浦雅展委員長)が10月7、8の両日、うるま市石川地域活性化センター舞天館であり、三線の音響の科学的分析研究に関する発表などが行われた。研究会の県内開催は初めてで、約30人が参加した。8件の研究発表のうち「三線の棹と膜の振動が弦の振動に与える影響の評価」と「科学的な視点からの三線の研究の現状」、沖縄側から照屋勝武三線店=同市石川=の三線製作職人、照屋武志さんの「作り手からみる三線と沖縄」の招待講演があった。
共同研究を含めて2件の三線の音響研究に関わった、青山学院大学理工学部の西宮康治朗助教は、三線の構造と特徴、自動弾弦装置を用いた計測事例、人の演奏による計測事例など、科学的解析について報告した。西宮助教は、三線は日本の楽器の中でも重要なものとして、2017年から琉大などの協力も得て研究に着手している。「三線文化の保存と発展に貢献していきたい」と研究継続の決意を述べた。
照屋さんは三線製作者の立場から三線の伝来と変遷、三線の型、民俗楽器としての文化的価値などに言及した。三線の根幹をなす棹の用材リュウキュウコクタン(黒木)が枯渇し、イヌマキ、モクマオウなど代替材の強度研究などに取り組んできたことを報告。三線演奏家、愛好家が県内にとどまらず県外、国外へと広がりを見せているが、「将来を見据えた黒木の育成、製作職人の確保など諸課題も多い」と指摘し、その解決に向けての抱負を披歴した。
研究者と製作者が深く交流する貴重な機会となり、2日目は照屋三線店の工房ツアーの見学を実施、活発な議論が交わされた。
(岸本健通信員)
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三線の音響 科学的に分析 うるま 日本音響学会研究会、成果報告
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琉球新報朝刊
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