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エイサーの関わり解説 沖縄市、青年会活動で講座


エイサーの関わり解説 沖縄市、青年会活動で講座 エイサーを担う青年会が地域で果たしている役割や課題を解説した博物館講座=10月15日、沖縄市文化センター
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 【沖縄】沖縄市立郷土博物館主催の博物館市民講座「沖縄市の青年会組織とエイサーの関わり」が10月15日、沖縄市文化センターで開かれ、青年会活動が地域社会や街づくりに欠かせない役割があること学んだ。
 市は2007年に「エイサーのまち」を宣言。今年9月、コロナ禍後4年ぶりに第68回沖縄全島エイサーまつりを通常開催し、過去最高の36万人の人出でにぎわった。
 講師の尾崎江利子・同館副主幹兼学芸係長は、エイサーの中心を担う青年会の現況やエイサーの変遷、県内各地域の演舞の形態などを解説した。青年会組織が若者の居場所発見、帰属意識・仲間意識の醸成、ボランティア活動、地域活動への貢献、社会とのつながり、先輩らの学びと後輩への継承など「エイサーを入り口にして地域活性化に大きな役割を果たしている」と強調した。
 課題として会員や資金の確保、生活環境の変化でエイサーの夜間練習(騒音など)への苦情などを指摘した。行政側の役割として、市民の理解を深め、将来の人材育成につながることなどアピールする必要性を挙げた。
 講座ではエイサーの映像も多く紹介され、地域によってはエイサーシーズンを締めくくる「別(わか)り遊(あし)びエイサー」の伝承があることを説明した。戦後しばらくは青年会活動に参加しない者には「罰金」を科す事例もあったと述べ、受講生から驚きの声が上がった。(岸本健通信員)