新聞記者となって7カ月、形から入りたがるミーハー気質が仕事でも出てしまった。
10月13日、米軍嘉手納基地に武器搭載可能な無人偵察機のMQ9が初飛来する可能性に備え、道の駅かでなの展望台で監視をする必要があった。「見張りって記者っぽいな」という簡単な気持ちから、監視役に手を挙げた。
昼過ぎから監視を始め、徐々に他メディアも集まり、緊張感が高まる。大学進学で沖縄に来て、学生時代のほとんどを中城村内で過ごした。米軍機をきちんと見たこともなく、見分けがつかず焦った。安易に手を挙げたことを後悔し、印刷してきたMQ9の写真と米軍機を見比べていた。だがMQ9は日が沈んでも飛来せず、私は当初の緊張感を失っていた。
夜も遅くなり先輩記者も現場に到着した頃、MQ9は飛んできた。全員が一斉にカメラを構えた。私は慌ててカメラとスマホを両手に持ち、何か写れと祈りレンズを向けた。幸いスマホの動画にMQ9(動画ではただの光の点)が写り、記事に使用することができた。
この時は撮影に必死で、MQ9飛来の意味に考えを巡らせていなかった。これ以降、武器の搭載が可能なことや議会の抗議決議などさまざまな動きが出ている。自分はどんな場面に立ち会っているのか。「記者っぽく」でなく、「記者らしく」向き合わなければならないと痛感している。
(沖縄市)