【宮古島】環境省が7日、2030年度までに脱炭素に取り組む「先行地域」に宮古島市を含む12道府県の12件を追加した。宮古島市と共同提案者のネクステムズなどは9日、市役所で記者会見を開き、環境省に提案した計画の概要説明を行い、成長する観光業との共存を図りながら農漁村地域の活性化を実現すると意気込みを語った。対象地域は市内の下地地域と狩俣地域で、事業は24~28年度。総事業費は約67億円を見込んでおり、選定に伴う交付金については調整中とした。
共同提案者はネクステムズ、Socio Forward、宮古島未来エネルギー、沖縄電力。
計画では両地域の希望者宅に太陽光発電と蓄電池、電気自動車(EV)、省エネ機器、蓄熱冷凍冷蔵設備などを導入。エリア内で再生可能エネルギー由来の電気を管理することで、地域内の全電力需要を賄い、区域境界の潮流計測で担保する「脱炭素グリッド」の構築を目指す。また、空き家に再エネと省エネ設備を導入して地域主体の宿泊業を展開し、脱炭素の実現と空き家問題の両方の解決を目指す。
座喜味一幸市長は「下地や狩俣だけではなく、市内全域への展開も含めて、持続可能で活力ある地域社会の実現を目指したい」と意気込みを語った。
共同提案者のネクステムズの比嘉直人社長は、19年ごろから市の来間島で太陽光発電機と蓄電池を無料で設置し、再エネを地産地消する「地域マイクログリッド」を実現していると説明。台風時も、地域の電源が安定的に使えるようにしたいという。
市などは今後、2地域の住宅や民間施設、公共施設、計2020カ所に協力を要請し、希望した場所に太陽光発電機や蓄電池などを導入する予定だ。(友寄開)