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光合成細菌の農法に挑戦 名護の仲里さん 幼少から関心、有機栽培実践


光合成細菌の農法に挑戦 名護の仲里さん 幼少から関心、有機栽培実践 宜野座村松田区のピースフル・ファームで農作業に励む仲里大地さん(提供)
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 【宜野座】名護市宇茂佐の仲里大地さん(23)が宜野座の地で、大好きな農業に情熱を注ぐ。祖母の影響で幼少期から農業に関心を持ち、家庭菜園で種を植えることや、差し木から取り組みを開始した。通っていた支援学校の園芸の時間も良い影響となった。次第に「作物を育てる」という農業への興味が増し、「ヤギの山学校」で知られる上江田武信さんとの出会いをきっかけに、実践的な農業を始めることになった。

 宜野座村松田区の上江田さんの農園や、農業仲間の新里博伸さんの農園を「間借り」して、自身の農業にいそしむ仲里さん。名護市での仕事を終えた夕方から宜野座に足を運んでいる。

 仲里さんが取り組むのは農薬を使用しない有機栽培だ。祖父母ほどの年代の「ハルサー・シンカ」との交流を通じて、農業への知識と技術を磨く。

 勉強熱心でスマートフォンやパソコンにも詳しく、年配の農業仲間にも丁寧に操作を教える。自身が研究を重ねて培養した光合成細菌の効果にも熱視線を送る。光合成細菌の多くは水槽の水質浄化用などに活用されているが、仲里さんは農業用に活用しようと研究を重ねている。

 仲里さんが勤務する、名護市内の就労支援事業所の農園でも完全無農薬、有機栽培に取り組んでおり、光合成細菌を活用して効果を検証している。「有機肥料も価格が高騰している。光合成細菌で有機物投入量の削減、牛ふん、堆肥の使用量の削減になる」と考えている。「次はバナナに光合成細菌を試してみたい」と、農業への好奇心は増す。

 問い合わせは、電話080(5048)4029(上江田さん)。

 (池辺賢児通信員)