住民反対にもかかわらず「排水路」を着工へ 糸満「白川2号線」今月中にも 沖縄


住民反対にもかかわらず「排水路」を着工へ 糸満「白川2号線」今月中にも 沖縄 糸満市役所
この記事を書いた人 Avatar photo 岩切 美穂

 【糸満】糸満市が県道82号の阿波根交差点周辺に排水路「白川2号幹線」を新設する工事計画に地元の阿波根西原自治会(花城宗順会長)が反対している問題で市は15日、現行計画のまま今月中にも着工する方針を同区に通知した。自治会の姿勢は変わらず、市にあらためて反対を訴えていく考えだ。

 白川2号幹線の整備は、隣接する潮平区の「白川幹線」など2本の排水路が豪雨時にあふれて道路が冠水し、潮平小学校が休校せざるを得ない状況を解消する目的。白川幹線に流入する雨水の一部を白川2号幹線に分水し海に排水する計画だ。

 自治会側は、実施設計段階までに市から説明がなかったことなどを問題視。阿波根交差点周辺の既存の排水路の1本が白川2号幹線に付け替わることで、同交差点の冠水が悪化することも懸念し、白川幹線の改良による問題解決を訴えていた。

 市水道部の金城聡部長は「白川幹線の改良は潮平小や民家の土地の買収が避けられず、現実的に困難だ。早期解決には現行計画が最善だと判断した」と説明した。阿波根交差点の冠水対策として市は今後、県に側溝の改良などを要望する。花城会長は「強行するとは思わなかった。冠水が拡大し犠牲になるのは地元住民だ。訴訟も視野に反対していく」と語った。
 (岩切美穂)