【読谷】読谷村喜名で117年にわたり組踊「忠臣護佐丸」が上演されている。阿麻和利に討たれた護佐丸のあだ討ちに息子の亀寿が出立する物語だ。そんな舞台に、1970年代以降、4世代にわたり役者として立ち続けている松田さん一家に話を聞いた。どの世代にも共通しているのは「親への憧れで舞台に立つことを決めた」ということだった。
1971年に護佐丸役を務めていた松田栄春さんの妻のハル子さん(98)は当時、衣装作りや化粧係として舞台を支えていた。現在も当時作成したの衣装や髪飾りが残っており、「当時はいろいろな仕事を任されて大変だった」と笑った。
栄春さんの息子の英康さん(75)は「当時は組踊が娯楽の一つで身近なものだった。父の姿を見ていたこともあり、自分も役者として舞台に立つのは自然なことだった」と当時を振り返った。
英康さんの息子の栄さん(47)と孫の大地さん(13)は10月18日に開催された第18回公演で、それぞれ阿麻和利と中山の供の役で共演した。役者を目指す理由については2人とも親への憧れを挙げた。大地さんは「自分も父が務めた阿麻和利の役をぜひやりたい」と意気込んだ。組踊「忠臣護佐丸」の舞台の開催は4年に一度で、次回開催は2027年の予定となっている。
(福田修平)