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「首里くとぅば手引書」贈る 古波蔵保隆さん 市内全小中校などに


「首里くとぅば手引書」贈る 古波蔵保隆さん 市内全小中校などに 知念覚市長(右)に「首里くとぅば 手引書」を手渡す首里金城町出身の古波蔵保隆さん=22日、那覇市役所
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 「首里くとぅば 手引書」を自費出版した元小学校教員の古波蔵保隆さん(83)が22日、那覇市に同書65冊を寄贈した。同書は市内小中学校全53校と公立図書館、教育研究所に配布する。首里金城町出身の古波蔵さんは「うちなーぐちに少しでも関心を持ってほしい。手引書を教育現場で活用してほしい」と話した。

 同日、那覇市役所で知念覚市長、山城良嗣教育長と面談した古波蔵さんは「うちなーぐちの衰退は琉球文化の危機でもある。若い世代に首里くとぅばを継承するのがわたしの願いであり、うちなーぐちに誇りを持ってほしい」と語った。

 手引書は全382ページ。五十音順に、さまざまな単語をひらがなと漢字表記で記載した。家族・親族の呼び方や体の各部の名称など、役立つ日常語を盛り込み、首里城や琉球の文化の説明、首里の町名とその由来なども掲載している。

 首里山川町出身の知念市長は手引書贈呈に感謝の言葉を述べ「首里でうちなーぐちを話すとたしなめられることがあったが、これからは手引書があるから安心だ」と冗談交じりに話した。2012年から市が取り組んでいる、ハイサイ・ハイタイ運動を念頭に「下手でもいいからまず使ってみることが大事だと思う」と語った。

 (吉田健一)