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農業観光体験を本格始動 野菜作り、障がい者と交流も 北中城


農業観光体験を本格始動 野菜作り、障がい者と交流も 北中城 農業観光体験を楽しむ参加者たち=15日、北中城村渡口の農天ファーム
この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 良太

 【北中城】北中城村観光協会は村内の農家で体験観光を楽しむ「ウェルネスファーマー」事業を始めた。村の補助を受け7月からプログラム開発の実証を始め、11月に本格稼働した。農業と福祉の連携に取り組む就労継続支援A型事業所ソルファコミュニティの畑を活用し、同事業所で働く障がい者の人たちも参加者へのアドバイスに携わり、交流にもつながる。

 実証はピーマンの苗植え、ゴーヤーの収穫、養蜂など、さまざまな体験を実施してきた。15日の最終回にはニンジンの間引きやジャガイモの植え付けをした。村内外から親子連れなど約30人が参加した。

 村観光協会で企画を担当する禰覇音さんは「北中城は華やかな観光は苦手だが、地域に入っていく観光が得意だ」と説明。養蜂体験に参加した小学生の女の子が、最初は蜂を怖がっていたが、次第に慣れて「できる」という自信と笑顔を見せたと振り返り、「落ち着いた環境で自分を見詰めたり、大切な人と穏やかな時間を過ごしたりする機会を提供したい」と話した。ソルファコミュニティの玉城卓代表は「以前から農業観光を受け入れてはいたが、自ら販路を開拓する余裕はなかった。村観光協会が販促を担うことで新しいサービスができる」と説明した。「外部との交流の機会ができて障がいのある利用者にも刺激になる。事業収入が増えれば利用者の給料も上がる」と期待した。

 親子3代で宜野湾市から参加した7歳の金城空来(そら)さんは「種芋を植えるのが楽しい。ジャガイモの芽が生えているのを初めて見た」と喜んだ。体験参加は村観光協会のホームページで受け付ける。

(島袋良太)