佐手小の閉校式に卒業生ら別れ惜しむ 「私の原点、いつでも私の心の中に」 1887年開校、跡地には記念碑 沖縄・国頭


佐手小の閉校式に卒業生ら別れ惜しむ 「私の原点、いつでも私の心の中に」 1887年開校、跡地には記念碑 沖縄・国頭 記念写真に納まる卒業生や関係者ら
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【国頭】国頭村立佐手小学校(国頭村佐手)の閉校式典が11月26日、同校体育館で開かれた。1887年に佐手簡易小学校として開校して以来、1474人の卒業生を輩出した同校が長い歴史に幕を下ろした。式典には、村内外から卒業生や関係者など約140人が出席。学校跡地を表記した閉校記念碑の除幕式なども行われ、学校との別れを惜しんだ。

 学校は1895年に辺野喜尋常小学校に改称し、辺野喜尋常高等小学校、辺野喜国民学校と名称を変えた。1945年に佐手初等学校となり、48年に佐手小学校・佐手中学校となった。少子化で児童数が減少し、2004年に村内全中学校が国頭中学校へ統合されたのに伴い、佐手中学校が閉校した。19年には佐手小学校が休校となって、その後、閉校が決まった。

記念碑を除幕する関係者ら=11月26日、国頭村立佐手小学校

 閉校式実行委員会会長の新里国夫さん(佐手)は式典で「佐手小学校で多くの子どもたちが学び、いろいろな思い出を残して卒業した。地域住民にとっても憩いの場であり、さまざまな学校行事に参加した。閉校となり寂しくもあるが、今後は佐手小学校の跡地利用を検討して、佐手校区の発展につなげたい」とあいさつした。式典後は新里会長、実行委員、知花靖村長、当時の在校生らが、学校正門前に建てられた「佐手小中学校跡地」の記念碑を除幕した。

 最後の卒業生1人、宮城美玖さん(現高校2年)は卒業生を代表して「佐手小学校は私にとっては全ての原点で、いつでも私の心の中にある。佐手小ありがとう」と感謝を込めた。最後の校長・福本利江子さんは「1年限りの校長だったが、私にとってはとても大きな1年だった。自然豊かで校庭にはきれいな花が咲き誇り、子どもたちや職員と地域が一体となり、素晴らしい学校だった」と振り返った。休校時の児童7人も一人ひとり感謝の言葉を述べた。

 (新城高仁通信員)