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ウスデークの歴史、現況学ぶ/うるま市文化財ガイド友の会/継承の意義確認


ウスデークの歴史、現況学ぶ/うるま市文化財ガイド友の会/継承の意義確認 ウスデークの歴史や変遷、現況の課題を学んだ講座=11月15日、うるま市のあまわりパーク(提供)
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 【うるま】衰退の危機にある伝統芸能への関心を高め、継承することを目指し、うるま市文化財ガイド友の会(照屋利江子会長)主催のウスデーク講座が11月15日、うるま市のあまわりパークで開かれ、会員や市内外の関心のある人たち20人余が参加した。講師は県立芸大芸術文化研究所共同研究員の平良徹也さん。ウスデーク(地域によってはウシデーク)を長年、全県で調
査、考察してきたことを踏まえて講話したほか、映像も紹介した。
 ウスデークの目的は琉球国王の称賛、ムラの発展、豊年祈願、無病息災、子孫繁栄、祖先供養、平和祈願など、地域・集落によってさまざまな形態があると述べた。円陣舞踊のウスデーク歌は琉歌形で2600余種も確認できたという。
 かつて約500の地域、集落で継承されていたが現在は約60カ所に激減していると指摘。その中でうるま市では21地区で取り組まれ、濃厚な伝承地域と評価した。保有曲数が193曲あるとの調査結果を示した。宮城島では保存会の「ウシデークしましま交流会」も開催されている。
 しかし、各地の現状は年々継承者の高齢化の課題に直面しているという。平良さんは「沖縄の誇る無形文化財だが衰退が進み、とても心配している。継承、保存について関係者の緊急な取り組みが必要」と強調した。
 照屋会長は「ウスデークの精神性を学んだ。今後、会員のガイドに生かしていきたい」と話し、受講者から「奥の深い芸能であることを知った」「うるま市のウスデーク歌集を発行してほしい」などの感想があった。
 (岸本健通信員)