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子どもたちの笑顔あふれるクリスマスに NPO法人チャリティーサンタ沖縄支部


子どもたちの笑顔あふれるクリスマスに NPO法人チャリティーサンタ沖縄支部 「メリークリスマス!」と笑顔を見せるチャリティーサンタ沖縄支部のスタッフたち。(左上から時計回りに)豊里友亮さん、徳力菜月さん、蔵端美幸さん、儀間幸男さん、渡部幸男さん、田中貴光さん。代表の渡部さんの本業は、車検前の予備検査などを行う「ヨビケン」の社員。会社も活動を応援し、寄付をしてくれているという=那覇市銘苅 写真・村山望
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

誰でもサンタクロースに

子どもたちにプレゼントを届ける活動を行っている「チャリティーサンタ」。全国各地に40支部あるNPO法人だ。8年前に発足した沖縄支部では、さまざまな活動を通して子どもたちに愛された記憶を残そうと取り組んでいる。近年では、経済的に苦しい家庭に無償で本を贈る「ブックサンタ」プロジェクトなども県内外で広がりを見せている。同支部代表の渡部さんに活動について聞いた。

「あなたも誰かのサンタクロース」を合言葉に活動するNPO 法人「チャリティーサンタ」。クリスマスイブの日、子どもがいる家庭にサンタクロースを派遣してプレゼントを届けたり、一般家庭から募った寄付金で経済的に困窮する家庭の子どもに無償で支援を行ったりしている。

クリスマスに向けて準備に励む沖縄支部のスタッフら(提供)

2015年9月に沖縄支部を立ち上げた北海道出身の渡部幸男さん。もともと2009年から当時の勤務先、神奈川県でチャリティーサンタに参加していた。「30歳を過ぎてからボランティア活動で社会貢献したいと探して見つけたのがチャリティーサンタでした」と振り返る。沖縄転勤を機に支部を設立し、現在スタッフは9人。昨年は26人のサンタクロースが県内の21家庭と5カ所の施設を訪問した。

一般家庭の訪問では3000円の寄付金を受け取り、貧困や被災などで厳しい環境下に置かれている家庭の支援に充てている。「誰かの幸せな思い出が、またどこかの誰かの幸せを生み出していくということ。サンタクロースを依頼したご家庭も誰かのサンタクロースになっているんです」と話す。

困窮家庭には無償で支援

沖縄支部では、NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄」と連携し、ひとり親家庭の子どもに無償でプレゼントを贈る取り組みを行っている。クリスマス以外にも、誕生日の企画を行うなど、年間を通して活動している。

研修を受けたサンタクロースは各家庭や施設を訪問し、プレゼントを贈る(提供。写真の一部を加工しています)
研修を受けたサンタクロースは各家庭や施設を訪問し、プレゼントを贈る(提供。写真の一部を加工しています)

渡部さんは「子どもたちを笑顔にしたいと思い、行っているのですが、こちらが感動をもらうことが多いです」とほほ笑む。運営する側に立ってからは、「やってよかった」「感動した」と喜ぶボランティアのサンタたちにも感動をもらっているという。

本を届ける取り組みも

2017年から展開している「ブックサンタ」にも力を入れている。「本当はクリスマスなんて来ないでほしいと思っています」というシングルマザーの声をきっかけに全国で始動したプロジェクトだ。経済的に困窮する家庭や被災地の子どもに無償で本を贈っている。賛同した人が提携書店で子どもに読んでほしいと思う本を買い、レジに預けると、クリスマスや誕生日などの特別な日に本が届くという仕組み。全国で1683店舗、沖縄県では14店舗が参加している(11月30日現在)。

「ブックサンタ」で集まった本を選ぶ子ども(ブックサンタの受付期間は9月下旬~12月下旬まで)(提供。写真の一部を加工しています)

1年目に集まったのは全国で約800冊。支援の輪は広がり続け、昨年の寄付は全国で7万冊を超えた。目標は100万冊。「10年後には毎年安定して必要とする子どもたちに贈れるようにしたい」と考えている。

子どものために大人が手を取り合う社会づくりを目指しているというチャリティーサンタ。渡部さんは「プレゼントを受け取った子どもたちが大人になった時、一緒にサンタ活動ができたら素晴らしいことだと思いますね」と夢を語った。

(坂本永通子)

NPO法人チャリティーサンタ沖縄支部

沖縄支部インスタグラム:https://www.instagram.com/okinawa.santa/

チャリティーサンタHP:https://www.charity-santa.com/

※詳細や申し込みはHPを確認

クリスマスに向けて準備に励む沖縄支部のスタッフら(提供)

(2023年12月7日付 週刊レキオ掲載)