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与那国の昔話 語り継ぐ 町立図書室でつどい開催


与那国の昔話 語り継ぐ 町立図書室でつどい開催 請舛姫代さん(中央奥)の昔話に加え、集まった人々に与那国語で語る田里鳴子さん(奥左から2人目)=2日、与那国町嶋仲自治公民館内
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【与那国】与那国町立図書室主催による「どぅなん んかちはなし のつどい」が2日、町嶋仲自治公民館内にある同図書室で行われた。話者は与那国町出身、町内在住の請舛姫代さんが務めた。与那国島の言葉で歌い継がれている手遊びや、わらべうたを紹介した後、「~シティにまつわるおはなし~」と題し、今月7日に行われた与那国島のシティ(節祭)にちなんだ昔話を披露した。

 実際に請舛さんが家族から語り聞いたシティの昔話を、今も続く島の文化や生活習慣を織り交ぜながら話した。話の中に出てくる機織りの道具を実際に手に持って解説しながら話し、集まった町民らは時折うなずきながら興味深く耳を傾けていた。

 請舛さんの語りに加え、図書室で司書を務める田里鳴子さんが「南島昔話叢書(そうしょ)10 与那国島の昔話」に収められている「節祭の由来」を与那国方言で朗読し、集まった人々を魅了した。田里さんと、図書室職員を務める福里麻加さんは「図書室は町民や地域に役立つ情報拠点として、交流の場、育みの場、島を知る場という役割を担う。今後も島の祭事行事と開催時期を合わせながら、つどいを計画していきたい。参加者や話者の交流の輪が広がる機会になれば」と話した。

 親子での参加が目立ち、「昔話は面白かった。次回は絵本や紙芝居だと子どもが分かりやすいし楽しめると思うので、期待したい」「与那国のわらべうたや手遊びも知って子どもと楽しみたい」「内地の獅子舞とは違う与那国のシティの由来を初めて知った」「子ども向けの手遊びやわらべうたなら覚えやすそうなので、与那国の方言も楽しく覚えられそう」との声が聞かれた。 

(崎元友紀通信員)