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読谷の民泊 ふるさとづくり大賞 修学旅行受け入れ評価


読谷の民泊 ふるさとづくり大賞 修学旅行受け入れ評価 よみたん民泊協力会の(左から)古波倉正幹事長、仲眞朝雄会長、藤川光代さん、ちゅらむら読谷の大城光社長=12月11日、読谷村の地域振興センター
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【読谷】ふるさとをより良くしようと頑張る団体を表彰する総務省のふるさとづくり大賞が2023年12月15日発表され、読谷村のよみたん民泊協力会が選ばれた。主に修学旅行生を受け入れ、民家側がプログラムを提案する「教育民泊」に力を入れ、会員費などの独自資金で受け入れ民家への豊富な研修を実施するなど、自力で内容を充実・発展させている点が評価された。

 よみたん民泊協力会は2008年に設立した。地元の観光事業者である沖縄スカイ観光サービス(大城光社長)が地域振興と交流型観光事業として修学旅行生受け入れの事業を始め、受け入れ人数が増加したことで同会を設立した。現在、約100世帯が登録しており、2023年度は約1万2千人の生徒を受け入れている。

 仲眞朝雄会長(68)が「受賞を狙っていた。いけると思っていた」と語る、納得の受賞だった。「しっかり組織を構築し、財源や民家への支援内容などに独自性がある」と特徴を語った。

 同会の役員は14人で、月に一度幹事会を開いている。自治体の補助金などを活用せず、会費や受け入れ事業の利益などで会を運営している。コロナ前までは年々受け入れ数が増加し、コロナ禍でもオンラインプログラムの開催などの挑戦を続けた。現在は海外からの受け入れや、自治体の学生派遣受け入れなど、事業が発展している。

 仲眞会長は「来る時と帰る時、子どもたちの表情が変わる。教育に値すると思った」と生徒の変化に注目した。受け入れ先としての心得を学ぶ講習会などを企画し「みんな教育者の意識を持っている」と話す。学校側からも好評で、受け入れ人数は年々増えていった。

 生徒を受け入れている藤川光代さん(52)は「協力会のサポートに安心感があり、受け入れを続けられる」と話す。受け入れ時は「お客さん対応はしない。子の将来を考え、注意もする」と教育者の意識を持つ。仲眞会長は「受賞して終わりではない。今後の活動によって受賞の価値は変わってくる」と身を引き締めた。 (金盛文香)