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丁寧、感謝、興味が大事 車いすマラソン喜納翼選手講演 沖縄市・宮里小 「成長描き、目標持って」


丁寧、感謝、興味が大事 車いすマラソン喜納翼選手講演 沖縄市・宮里小 「成長描き、目標持って」 児童に学習や生活での心構えのポイントを呼びかけた喜納翼選手の講演会=1月25日、沖縄市宮里小体育館
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 【沖縄】沖縄市の宮里小学校(長尾順子校長)で1月25日、車いすマラソンの日本記録保持者、喜納翼さん(33)の講演会が開かれ、競技人生や障がい者スポーツへの理解、学ぶべき大切な目標の心構えについて情熱を込めて講話した。
 4年生170人余を対象に総合学習の時間を活用、キャリア教育の一環として企画された。
 喜納さんは10代の頃はバスケットボールに熱中。大学生の時、トレーニング中の事故で車いすの生活を余儀なくされた。その後車いすマラソンに転向し、2016年に大分国際マラソンで優勝。東京マラソンは2度優勝し、23年の東京パラリンピックに出場するなど輝かしい実績を重ねている。
 児童の大きな拍手で体育館に迎えられた喜納さん。「事故後、周囲に支えられた」と競技人生を振り返った後、大事なこととして(1)できることを丁寧にやる(2)感謝の気持ちを大切に(3)いろいろなことに興味を持つ-の3点を挙げ、自身の5年後、10年後の成長を描き、目標を持つことの大切さを強調した。さらに競技用車いすの紹介、各種障がい者スポーツの説明、障がい者マークへの理解なども呼びかけた。児童は引き込まれるように熱心にメモを取っていた。
 質疑では、喜納さんの練習方法や日頃の生活、困ったことがないかなど、たくさんの手が挙がっていた。児童代表で謝辞を述べた玉城桐哩さん(9)は「とても感動した。頑張る目標をしっかり持ちたい」と話した。
 (岸本健通信員)