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共同売店の未来を議論 国頭で第3回サミット 「支え支えられる関係性を」


共同売店の未来を議論 国頭で第3回サミット 「支え支えられる関係性を」 第3回共同売店サミットで参加者からの質問に答える登壇者ら =4日、国頭村の浜区公民館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【国頭】共同売店の未来について意見交換する第3回共同売店サミット(同実行委員会主催)が4日、国頭村の浜区公民館で開催された。大学教授や共同売店の店主など4人が登壇し、課題や持続の可能性、売店を支える取り組みなどそれぞれの視点から講演した。
 愛と希望の共同売店プロジェクトの山田沙紀さんは、共同売店のある暮らしを身近に知ってもらう冊子の製作に取り組んでいることなどを紹介した。共同売店を通じて暮らしや自治の在り方について考えていることにも言及し「高齢化や人口減少の将来が見えている中で、共同売店が廃れていくのを見るだけでなくどうしたらいいかを考え、共同売店を支え支えられる関係性の構築が大事だ」と強調した。
 同村の浜共同店を2022年に再開させた山城吉秀さんは、商品の仕入れの工夫や新たな販売方法の模索などについて報告した。共同売店の必要性について地域で考える場が不足していることも訴え「住民と一緒に、売店が必要な理由や皆さんの意見を聞きながら対処すれば、これまで以上に足を運んでくれるのでは」と期待した。
 沖縄国際大経済学部の村上了太教授は営業時間の短縮や移動販売など国内外の事例に触れながら、持続可能な共同売店に向けた五つの選択肢を提案した。県内各地の共同売店を応援する活動を20年続けている共同売店ファンクラブの眞喜志敦さんは、共同売店の現状や県内各地の共同売店分布をまとめたマップなどについて紹介した。
 会場には住民ら約70人が集まり講演に耳を傾けた。参加者からは講演後に「共同売店は観光コンテンツとして使えると思うが地元の人はどのように感じるのか」や「行政とのつながりが必要だと思うが現在の動きはどうなっているのか」などの質問が出た。共同売店の仕組みに興味があり参加した中本昌幸さん(62)=浦添市=は「共同売店の仕組みを活用した社会やネットワークを構築していくのがいいのではないか」と提案した。 (武井悠)