能登で被災の子、「留学生」として来て! 渡嘉敷島 坂田さん夫妻


能登で被災の子、「留学生」として来て! 渡嘉敷島 坂田さん夫妻 能登半島地震で被災した子どもの山村留学を呼び掛ける「わらびや」の米田竜二さん(右端)、明子さん(左端)と留学生ら=4日、渡嘉敷村
この記事を書いた人 Avatar photo 岩切 美穂

 【渡嘉敷】沖縄県・渡嘉敷村立渡嘉敷小中学校への山村留学生を受け入れている「わらびや」の坂田竜二さん(55)、明子さん(47)夫妻が、能登半島地震で被災した小中学生の一時的な山村留学を募集している。「震災によって親子が一緒にいられない状況もあるかもしれない。行き場がない子どもがいたら、自然豊かな渡嘉敷島で同世代の子らとしばらく一緒に過ごしませんか」と呼び掛けている。


 坂田夫妻は2008年から、全国各地の留学生を1年単位で受け入れてきた。坂田夫妻が親代わりとなり、子どもたちは米や野菜作り、ヤギやニワトリの世話のほか、シュノーケリングなどの自然体験をして過ごす。

 現在は関東や愛知県の小学5年~中学1年の5人が共同生活している。千葉県出身の尾崎凪さん(13)=中学1年=は「千葉ではできなかった動物の世話などをする生活は、すごく良い経験になる」と語った。

 わらびやでは東日本大震災で被災した子どもたちも受け入れた経験がある。能登半島地震が起き、「被災地のためにできること」を子どもたちと考え、受け入れを決めた。明子さんは「親元を離れ、子どもだけで安心して暮らせる場所は少ないが、ここにはその用意がある」と語り、寂しさやつらさも含めて受け止める覚悟だ。

坂田さんの畑で農作業を体験する県外からの「留学生」ら=2011年1月、渡嘉敷村

 各地の山村留学受け入れ団体とも連携し、災害時に被災した子どもを迅速に受け入れる体制づくりも今後進めたいという。

 募集しているのは小5~中2の男子1~2人。期間は3月末まで(留学費用は無料)。その後は相談に応じる。詳細は「渡嘉敷島留学わらびや」のホームページ。問い合わせは電話098(987)2668。