アート+アーカイブで可視化 「黒人街」があった時代のコザ、「場所と空間と商人の物語」でよみがえる 沖縄


アート+アーカイブで可視化 「黒人街」があった時代のコザ、「場所と空間と商人の物語」でよみがえる 沖縄 展示会場前で来場者と写真に収まる池原エリコ代表(前列右から2人目)ら=2月17日、沖縄市照屋のコザ十字路通り会商店街
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 沖縄市照屋地域に「黒人街」があった時代の商人の歴史や物語を焦点にした、アートカイブArtchive(アート+アーカイブ)作品展「場所と空間と商人の物語」が2月17日から8日間、沖縄市のコザ十字路通り会(旧銀天街)で開催された。

 アートカイブとは芸術作品と歴史的記録を合わせた造語で、一般社団法人コザミクストピア(池原エリコ代表)主催の展示会だ。「黒人街」と言われた1952年から76年当時の資料を、コザ十字路通り会の店舗などに当時の写真約30点や仕事道具、家具などが展示された。

 昨年法人化され、初の事業を行った池原代表は「銀天街時代より前の資料が少ない時代を聞き取り調査し、50年代から60年代当時の地図を作製した。2019年から 本格的に研究を進め、地元の方々の協力で完成した」と述べ「可視化された地図を見た来場者から新たな情報も得ることができ、会場で数十年ぶりに出会う商店主たちとの再会で、ゆんたくを楽しんでくれたのがうれしかった」と思いを述べた。

 1960年代後半に夫の翻訳事務所兼自宅として照屋地区に居住していた福嶺初江さん(87)は「地図を見て今はない建物を思い出した」と懐かしんでいた。

 (喜納高宏通信員)