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「どこでもドア」で地域貢献! 美里工業の高校生、自治会から「予想外」のリクエスト イベントで人気 沖縄市


「どこでもドア」で地域貢献! 美里工業の高校生、自治会から「予想外」のリクエスト イベントで人気 沖縄市 どこでもドアのオブジェを紹介する、県立美里工業高校3年の長嶺和季さん(左端)と桃原慶舜さん(左から3人目)、知念仁教諭(右端)、泡瀬第三自治会の仲眞紀子さん=2月26日、沖縄市の泡瀬第三公民館
この記事を書いた人 Avatar photo 福田 修平

 県立美里工業高校3年の生徒らはこのほど、地域貢献をする授業の中で製作した「どこでもドア」のオブジェを泡瀬第三自治会に寄贈した。実用的な物を贈るつもりだったが、自治会からの要望は予想外のどこでもドア。試行錯誤で空想の世界を再現したオブジェは地域住民に好評で、にぎわいづくりに貢献している。

 製作したのは桃原慶舜(けいしゅん)さん、長嶺和季さん、新里誠也さん、宮城翔馬さんの4人を中心とするグループ。授業の狙いは地域の人の要望を聞き、作ってほしい物、直してほしい物の製作、修繕を行うことだった。生徒らは泡瀬第三自治会付近の公園にごみ箱がない様子を見て、同自治会を訪ねて要望を聞いた。

 実用的な物を依頼されると思いきや、自治会長の仲眞紀子さんの回答は「どこでもドア」だった。他の自治会でどこでもドアが活用されている事例を知っていた仲眞さんは、泡瀬第三自治会にもあれば地域の人が喜ぶだろうと思い、製作を依頼したという。

 授業で他のグループがベンチなどを作る中、桃原さんらはドラえもんの秘密道具の製作に向き合った。ドアは学校の廃材を活用。安全に自立させるため、どのような支えにするか計算を重ねた。部品同士のずれがなく溶接するのに苦労したという。

 完成したのは漫画やアニメから飛び出してきたかのような、再現度の高いどこでもドア。自治会は早速、2月11日に開催した防災訓練の炊き出しで設置した。ドアの向こう側に恐竜の着ぐるみを着た人を配置し、子どもたちは行列を作ってドアの開け閉めを楽しんだという。イベントがなくても自治会に見に来る人がいるほどの人気ぶりだ。

 どこでもドアを製作した桃原さんは「自分たちが作った物が活用されている話を聞くと達成感がある」と喜んだ。長嶺さんは「溶接で失敗したりなど良い経験になった」と振り返った。

 仲眞さんは「地域の人からも大評判だ。これからもさまざまな場面で活用していきたい」と喜んだ。

 (福田修平)