手をかざすとピカッ 信号がない横断歩道に「注意喚起灯」 沖縄県内初 糸満市が独自に市内3カ所に設置


手をかざすとピカッ 信号がない横断歩道に「注意喚起灯」 沖縄県内初 糸満市が独自に市内3カ所に設置 横断時に手をかざす「横断者注意喚起灯」の感知器
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 【糸満】糸満市内の信号のない横断歩道3カ所に12日、横断者注意喚起灯(通称・ゆずるくん)が沖縄県内で初めて設置された。横断者が感知器に手をかざすと上部の発光ダイオード(LED)が点滅し、ドライバーに歩行者の存在を知らせる仕組み。同日、市道のファミリーマート糸満みなみ店前丁字路で点灯式があり、糸満市や糸満署の関係者が、子どもやお年寄りが安心して横断歩道を渡れる安全な社会を願った。

横断歩道に設置された横断者注意喚起灯の感知器に手をかざす園児ら =12日、糸満市糸満

 横断者注意喚起灯が設置されたのは通学路で、同所とセブン―イレブン糸満真栄里東店前交差点、沖縄水産高校前丁字路の3カ所。市によると通行車両が多い上、見通しがよく加速しやすいなどの道路環境があり、地域住民から「横断したくても車が止まってくれない」「道路を渡りにくい」など対策を求める声が上がっていた。

 糸満市は県警に信号機の設置を要望していたが、優先的な設置は困難だったため、市独自に横断者注意喚起灯を設置した。設置費は1対で約220万円。2対を市が単費で購入し、1対は糸満電管事業協同組合(玉城裕一理事長)が市に寄贈した。市は2024年度も、新たに通学路2カ所に設置予定だ。

 近くの保育園児らも参加した点灯式で、當銘真栄市長が「注意喚起灯の設置で、歩行者の安全確保が期待される。車が止まったことをしっかり確認して渡ってほしい」とあいさつ。眞榮城嘉世・糸満署長は「ドライバーに対する歩行者優先の意識付けにもなる」と述べた。

(岩切美穂)