有料

6000年前の「土器」や「貝製品」を続々発見 八重瀬町の須武座原遺跡 3月31日まで展示 沖縄


6000年前の「土器」や「貝製品」を続々発見 八重瀬町の須武座原遺跡 3月31日まで展示 沖縄 150個以上出土したゴカイの棲管と貝製品
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【八重瀬】八重瀬町字具志頭の須武座原(すんざばる)遺跡でこのほど、約2万2千年前の港川人の発見以降の八重瀬の歴史年表の空白を埋めるような数々の発見があった。遺跡からは約6千年前の土坑が3点見つかり、火を使用した痕跡も見られる。特に、調査中ながら一つの土坑から南島爪形文土器や、装飾用に使っていたとみられるゴカイの棲管(せいかん)(ゴカイが出入りする通り道の周りの砂が石灰化したもの)が150個以上見つかり、貝製品、人骨なども併せて出土している。

 同遺跡では2021年度から継続的に発掘調査が行われている。調査を行っているのは町教育委員会生涯学習文化課文化財担当学芸員の金城達(たつる)さんだ。金城さんによるとゴカイの棲管が150個以上見つかった例は沖縄では初めてで、今後の発掘調査で200個以上になる可能性があるという。また、イモガイでできた貝玉も多数出土している。これらの出土状況から、墓(墓域)だった可能性があるという。

 遺跡からは八重瀬町で新発見となる県内でも数少ない約1万年前の貝類をはじめ、約6千年前の南島爪形文土器や貝製品などさまざまな貴重な遺物が出土しており、重要な遺跡であることが分かってきた。

 これまでの調査結果をいち早く知ってもらおうと、町立具志頭歴史民俗資料館ロビーで31日まで、発掘品の展示を行っている。観覧無料。休館日は月曜日。問い合わせは同資料館、電話098(835)7500。

南島爪形文土器
出土した貝玉

 (喜屋武幸弘通信員)