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羽地さんにアジア未来大賞 宮古島 下地中と台湾・漢口國民中学校 交流けん引24年


羽地さんにアジア未来大賞 宮古島 下地中と台湾・漢口國民中学校 交流けん引24年 西日本国際財団アジア未来大賞を受賞した羽地芳子さん(中央)と、祝福する大城裕子市教育長(左)と狩俣典昭下地中校長=15日、宮古島市役所
この記事を書いた人 Avatar photo 友寄 開

【宮古島】宮古島市の下地中学校と台湾の漢口國民中学校の交流事業を24年間にわたって実施してきたとして、西日本国際財団はこのほど、宮古島市在住の羽地芳子さん(70)を第19回西日本国際財団アジア未来大賞として表彰した。受賞を受け、羽地さんは「困難があり、何度も辞めようと思ったこともあったが、頑張って続けてきて良かった」とほほ笑み、受賞を喜んだ。同賞は国際交流に貢献している団体や個人に贈られる。

 台湾出身の羽地さんは、1983年の結婚を機に宮古島に移住した。99年、自身の息子が中学校でバスケットボールに打ち込んでいたことから、旧下地町(現宮古島市)に台湾と下地中学校とのスポーツ交流を提案し、同年3月に町議会で予算が成立し、交流事業がスタートした。

 交流では、2校の生徒が台湾や宮古島を行き来し、ホームステイなどを通じて異文化交流を体験してきた。未来大賞では、地域住民と一体となったグローバルな視点を持つ子どもたちの育成に24年にわたって取り組んできたことなどが評価された。

 15日、下地中の狩俣典昭校長と市役所を訪れた羽地さんは、大城裕子市教育長と面会し、受賞を報告した。大城教育長は「羽地さんなしではこの事業の立ち上げはないし、ここまで継続もできなかった。宮古島市と台湾の架け橋になり、事業をけん引したことに心から感謝を申し上げる」と受賞を共に喜んだ。

 同大賞に羽地さんを推薦した狩俣校長は「羽地さんの長年にわたるご苦労をたたえたくて推薦した。受賞は、羽地さんに感謝を伝える良い機会になった」と語った。

 羽地さんは「継続することは大変だったが、交流を通じて成長する子どもたちの姿がうれしくて、続ける原動力になった。歩けなくなるまで(同事業を)頑張りたい」と笑みを浮かべた。 (友寄開)