受水走水で豊作願う「親田御願」 沖縄・南城市、稲作発祥の地


社会
受水走水で豊作願う「親田御願」 沖縄・南城市、稲作発祥の地 「親田」で苗の植え付けに励む稲作の会の3人=2月12日、南城市玉城、百名の受水走水
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 旧暦の1月初干支午(うし)の日の2月12日、南城市玉城仲村渠区(幸喜勇昇区長)は、大勢の区民が参加して稲作発祥の地・受水走水(うきんじゅはいんじゅ)で豊作を願う「親田御願」を開催した。

 幸喜区長らが、区民と共に中国から飛んできたツルが稲穂を落とし稲が発芽したという新原区集落西側の「米地(めじ)」に寄って御願した後、受水走水に移動。宮古島から訪れた女性たちもそろって受水と走水2カ所の拝所で拝みを済ませて田植えを開始。稲作の会の若者3人がおでこにヒチジ(米粉)を付けて身を清め、「親田」と呼ばれる田んぼに足を踏み入れて準備された稲の苗を植えていった。

 田植えが終わると百名ビーチ近くの祝毛(ゆーえーもー)に集まって幸喜区長を先頭に重箱とビンシー、泡盛を供えて北、西、南、東の順に向かってそれぞれ33回祈る「三十三拝(さんじゅうさんぺー)」の四方杯を行った。最後に稲作の祖アマミツが祭られているミントングスクへ行って行事が無事終了したことを報告した。

 (知花幸栄通信員)