市長の公用車に695万円 「市民感情に考慮を」 24年度予算可決後に決議 豊見城市議会 沖縄


市長の公用車に695万円 「市民感情に考慮を」 24年度予算可決後に決議 豊見城市議会 沖縄 豊見城市議会
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 【豊見城】豊見城市議会(外間剛議長)は22日の2月定例会最終本会議で、2024年度一般会計予算案を賛成多数(賛成16、反対5)で可決した。可決後、与党会派の議員が予算に関する決議を提出した。決議は、複数年度にまたがる債務負担行為に計上された市長公用車の購入費(695万1千円)に対し「物価高騰に苦しむ市民感情も考慮し、金額を抑えつつ安全性や耐久性などを念頭に車種選定をしてほしい」と求めた。

 債務負担行為には、同市上田の旧IT産業振興センター跡地に立体型駐車場を整備する事業(25~40年度、17億5670万円)も計上されている。決議は、同事業に対しても「にぎわいも含めた収益性ある施設となるよう検討する」などと求めた。

 市長車購入は、11年から使用する現在の市長車(トヨタプリウス)に代わる車両で、7人乗り(同アルファード)で見積もりが取られた。担当課によると、車内での業務や打ち合わせなどを考慮し、ミニバンが候補となった。今後、車種選定委員会の設置も検討する。

 旧ITセンター事業では、市有地3334平方メートルに、6階建て計450台分の駐車場を整備する。備蓄倉庫なども設置し、災害時に避難場所とし活用する。

 24年度は老朽化した建物の解体費4830万円と駐車場の設計委託費4670万円を計上。これとは別に25~40年度の17億5670万円に、駐車場の整備費用と完成後15年間の運営・管理委託費が含まれている。供用開始は26年度予定。

 決議は宜保龍平議員(城の風)、新垣繁人議員(同)が提出した。賛成16人、反対5人で採択された。反対討論した瀬長宏議員(共産党)は「決議は拘束力がない。明確に予算に反対するべきだ」と述べた。決議を受けて、徳元次人市長は「重く受け止めて市政運営に生かしていく」と話した。

 (岩崎みどり)