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波照間4姉妹が同時受賞 三線コンクール 伝統文化発信へ「通過点」 うるま「てぃーだぬふぁー童唄会」


波照間4姉妹が同時受賞 三線コンクール 伝統文化発信へ「通過点」 うるま「てぃーだぬふぁー童唄会」 4人同時受賞に喜ぶ(前列左から)波照間心呂さん、心利さん、心杜さん、永遠さんと指導した宮城葉子さん(後列)=3月27日、うるま市田場
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 【うるま】「てぃーだぬふぁー童唄会」(市田場)に通う波照間永遠(とわ)さん(20)、心呂(こころ)さん(17)、心杜(こと)さん(12)、心利(しんり)さん(10)の4姉妹は2023年度の三線のコンクールで全員受賞を果たした。同時受賞に喜ぶも4姉妹にとっては通過点という。童唄や三線を通して学んだ沖縄の伝統文化を「どのように発信していくか」を模索しながら学びを続けていく。
 永遠さんと心呂さんは第12回八重山古典芸能コンクールで新人賞、心杜さんと心利さんは第15回八重山古典民謡コンクールで奨励普及賞を受賞した。それぞれコンクールでの受賞経験はあるが、同時受賞は初めて。心利さんは「うれしかった」と笑顔を見せる。
 幼少期からてぃーだぬふぁー童唄会に通う4姉妹。同会を主宰する宮城葉子さんは、うちなーぐちや伝統行事と深く結びつく童唄を通して、沖縄というアイデンティティーや生まれ育った場所への理解を養ってきた。永遠さんや心呂さんも文化的背景を踏まえて言葉の意味を理解していることに「他の人とは違う」と自負する。
 永遠さんは海外留学や伝統行事の担い手となった経験から「教わってきたことが自分の実感に変わってきた」と話す。SNSなどでうちなーぐちや伝統文化についての正しくない情報が流れる状況に、「どうしたら自分たちが学んできたものを発信できるか」と模索中だ。「沖縄に貢献できる人になりたい」と語り、学びを続けていく。
  (金盛文香)