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【地図あり】糸満市の「南山城跡」、国史跡に申請へ 14~15世紀の石垣残る 沖縄


【地図あり】糸満市の「南山城跡」、国史跡に申請へ 14~15世紀の石垣残る 沖縄 南山城跡の北東に残存する、三山時代に築かれたとみられる石積み=糸満市大里
この記事を書いた人 アバター画像 岩切 美穂

 【糸満】市指定史跡の南山城跡の国史跡指定を目指し、糸満市が調査を進めている。これまでに、城跡北東側に三山時代(14~15世紀)の石垣が一部残存している状況などを確認しており、2024年度中の文化庁への申請を目指している。

 南山城跡は三山時代に栄えた南山王の居城跡。12世紀後半に築かれ、出土した陶磁器などの遺物から14~15世紀に栄えたグスクとみられる。国指定に向けて、市教育委員会が10年度から調査してきた。

 市教委によると22年度から、城跡の北東の2カ所に計約50メートルにわたって残存する石積みの状況の調査を進めている。石積みは古いグスクによく見られる、自然石を使って石垣を積み上げる「野面(のづら)積み」の手法で、14世紀ごろのものとみられる。石積みの調査の一環で19年度に実施した地中レーダー調査では、高嶺小学校敷地の地下から遺構の可能性がある反応が得られた。調査結果を基に、将来的には三山時代当時の遺構が地中に残存していないかどうかを調べる発掘調査も予定している。

 市教委は本年度中に調査結果報告書をまとめ、文化庁に国史跡指定の申請をする考えだ。国史跡に指定されることで、城跡の保存・修復が国の補助事業として適切に進められるという。市教委生涯学習課の大城一成係長は、南山城跡を調査する意義について「琉球の統一王朝形成以前のグスク時代の南部地域の社会・経済状況を知ることができる。各地のグスクがどのように造られて統合され、統一王朝が形成されたのかなど、沖縄における社会の変遷を考える上で重要な手がかりが得られる」と強調した。

(岩切美穂)