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木幡さんが老人ホーム慰問 伊江 祖母生まれ島 感謝込め 盲目の演歌歌手


木幡さんが老人ホーム慰問 伊江 祖母生まれ島 感謝込め 盲目の演歌歌手 長嶺美保子さん(左)と「ふたりの大阪」をデュエットする木幡直希さん=10日、特別養護老人ホーム「いえしま」
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 【伊江】歌手の木幡直希さんは10日、特別養護老人ホーム「いえしま」と住宅型有料老人ホーム「昴」を慰問し、自身のオリジナル曲や昭和の演歌5曲を披露した。
 木幡さんはデビュー曲の「俺の始発駅」や19歳の時に作詞した「あなたに伝えたい」など情感たっぷりに歌い上げ、会場からは大きな拍手が送られた。
 また、長嶺美保子さん(西江上区在住)と「ふたりの大阪」をデュエットし息の合った歌声を披露した。長嶺さんは「以前名古屋に住んでおり木幡さんと親交があった。また、私のお母さんが特養いえしまに入所していることから母の日のプレゼントとして感謝の思いを込めて歌った」と話した。
 玉城流舞華の会会主新城久美さん、喜納の会師範の大城恵美子さんが琉球舞踊を踊り会に花を添えた。久美さん、恵美子さんは「かぎやで風」や「女加那よー」「男加那よー」を踊り熟練された所作で会を盛り上げた。
 特別養護老人ホーム「いえしま」の磯ひとみ園長は「披露してくださった歌が利用者世代の歌で皆さんには懐かしい歌だった。素晴らしい歌声に感激した」と感謝した。
 木幡さんは祖母の八重子さんが伊江村の出身で、これまでも伊江島を訪れて慰問やコンサートなどを行っている。今回は、4月28日から5月15日まで沖縄に滞在。その間、伊江村でのゆり祭りや村内外の老人施設、村内の作業所等での慰問などを精力的に行った。
 木幡さんは750グラムという超未熟児で生まれ、未熟児網膜症を発症し、生まれた時から目が見えない。4歳の頃から祖母の下で育ち、祖母の運転する車で盲学校へ通った。車の中ではいつも八重子さんが好きな演歌が流れており、それを聞きながら育った直希さんは演歌が好きになった。19歳で作詞を始め、21歳で作曲家の鹿室浩二さんと出会い、23歳でデビューした。オリジナルの曲は、これまで育て支えてくれた皆さんへの感謝の気持ちがつづられている。
 「自分が人のためにできることは歌を歌って喜んでもらうこと。少しでも感動を与えることができればうれしい」と話す。 (知念光江通信員)