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米メディアの一部に疑念も 元通訳賭博 大谷選手の記者会見


米メディアの一部に疑念も 元通訳賭博 大谷選手の記者会見 ロサンゼルスのリトル東京のビルに描かれた大谷翔平選手。写真は鶴亀彰さん(カリフォルニア州在住)撮影
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 ロサンゼルスで3月25日、大谷翔平選手の記者会見が行われた。元通訳の水原一平氏による違法賭博問題について、一つ一つ丁寧に声明文を読み上げた。米国のニュースメディアやオンラインメディアの報道を見ると、3分の2程度は大谷選手の会見を「とても良かった」と評価した。一方でアメリカのジャーナリストはうたぐり深く、3分の1程度は「大谷選手は何か隠している」との主張があった。
 米国では18歳までが義務教育で、それまでに自己責任を持てる社会人を育てようとしている。自分の意見を持ち、それを恐れずに発表するというのもアメリカでの教育の基本だ。先生は「私の教えをそのまま信じてはいけない。自分で調べた上で、信じるべきは信じ、自分の考えと違う所は疑問としておきなさい」と伝えているという。
 そんな環境で育ったアメリカ人やジャーナリストは、自分の口座から多額のお金が盗まれてことに気付かなかったという、大谷選手の説明には納得できなかったようだ。「彼はうそをついているのではないか」と考えているようだ。
 今後の捜査が進むことで、3分の1程度のアメリカ人やジャーナリストたちが抱く不信が解消されることも期待できる。今回の事件がスポーツ賭博のあり方に影響を与える可能性もある。各州政府は税収確保の意味でスポーツ賭博を認めているが、中毒者の増加などマイナスの面にも目が向けられるようになっている。
(当銘貞夫ロサンゼルス通信員)