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子ども主体の学校教育探る 糸満 映画上映、当事者ら意見交換


子ども主体の学校教育探る 糸満 映画上映、当事者ら意見交換 子ども主体の学校づくりについて語り合う新垣香太さん(右端)と参加者=21日、糸満市のシャボン玉石けんくくる糸満
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 【糸満】ドキュメンタリー映画「夢みる小学校 完結編」の上映会(KAFUUプロジェクトなど主催)が21日、糸満市のシャボン玉石けんくくる糸満で開催され、親子連れや教育関係者が鑑賞した。上映会後の交流ユンタク会では、子ども主体の学校教育の意義を語り合った。
 KAFUUプロジェクトは、糸満市の耳鼻咽喉科かおる医院(新垣香太院長)による子ども支援の取り組み。不登校の増加や教師の長時間労働といった教育現場の問題の改善に向けて、「子どもファースト」のフリースクール設立を目指すプレイフルスクールおきなわ(渡口士代表)と共に上映会を企画した。
 「夢みる小学校 完結編」は、宿題や試験がなく先生も不在で、体験学習の授業を児童自ら運営するユニークな教育方針で知られる私立「きのくに子どもの村学園」など、子どもも教師も楽しい学校づくりに取り組む全国の学校を紹介している。
 交流会では、会場の子どもたちから学校生活について「宿題が多い」「宿題(の内容)を自分で選べるようにしてほしい」「外見についての校則はいらない」「休み時間を増やしてほしい」などの意見が出た。
 参加した小学校教員らは「(作中の)やりたいことを夢中で楽しみながら学ぶ子どもの姿は、本来の学びの姿だ。学年が上がるにつれ学びの楽しさを忘れてしまう実態がある」「子どもにとって授業が、自分で選択して楽しく学ぶ場にしないといけない」「教員も時間に追われて『やらないといけない』という気持ちがある」などと意見交換し、問題意識を共有した。
 新垣さんは「学校の主役は子ども。子どもたちの意見をどうやったら取り入れられるかを学校、保護者含めて考えられると雰囲気が変わる。大人がチャレンジしてほしい」と話した。
 (岩切美穂)