【石垣】八重山最大の豊年祭、四(し)カ字(あざ)の豊年祭「ムラプール」が7月29日、市新川の真乙姥(まいつば)御嶽などで執り行われた。多くの市民や観光客らが訪れる中、各字会や団体、中・高校生らが旗頭や巻き踊りなどを奉納し、今年の豊作への感謝と来夏世(くなつゆー)の五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した。
各地域・団体の奉納後、御嶽前では豊穣の神が五穀の種子を神司(カンツカサ)に授ける「五穀の種子授けの儀」が行われた。豊作と子孫繁栄を願い西と東の綱をつなぎ、女性のみが参加する「アヒャー綱」では、女性たちが「サーサーサーサー」のかけ声で舞い、喜びを表現した。御嶽の神司から授かった「ブル棒」を雌雄の大綱に差し込み、綱同士をつなぐ重要な役目ブルピトゥ(棒貫人)を國吉輝子さん(69)が務めた。
その後、旗頭と大綱は西に移動した。日が暮れると、たいまつの明かりがともり、指笛の音が響き渡る中、なぎなたと鎌を持った西と東の大将が、みこしの上で勇壮に演舞する「ツナヌミン」が披露された。道路脇にぎゅうぎゅう詰めの観客は大いに盛り上がり、そのまま大綱引きに参加。東西とも額に汗をかきながら力いっぱい引き合い、西が勝利した。
(照屋大哲)