1日に八重瀬町にオープンした琉球菓子とお茶の店「koti(こち)」は、赤瓦屋根の古民家をリノベーションした店内で昔ながらの伝統的な琉球菓子が楽しめる。店舗責任者の新垣春香さんによると、琉球菓子には、ちんすこうや花ぼうるなど王朝時代に宮廷料理の一つとして発達した「王朝菓子」と、アガラサーなど庶民の工夫によって郷土で愛されてきた「郷土菓子」がある。kotiではその両方を提供している。「実は多くの琉球菓子が姿を消しており、残っているのはわずかだ」と、沖縄の文化を次世代に引き継ぐ重要性を強調した。「琉球菓子を通して沖縄の暮らしの文化を伝えたい」と意気込んだ。
レシピの開発と調理指導をした琉球料理伝承人の津嘉山恵子さんは「琉球料理の店はあるが、琉球菓子に特化したカフェは珍しい」と話す。菓子は伝統的な製法にこだわり、店内で一つ一つ手作り。梅干し、落花生、白ごま、かんきつ類を砂糖で煮詰めた桔餅(チッパン)を練って作られた「ウミンス」など珍しいメニューもそろう。
緑茶、紅茶も県産の茶葉を使用。やちむん、琉球漆器、琉球ガラスなど、器も全て県産に統一している。一部のメニューはテイクアウトにも対応している。今後、琉球菓子のレシピや歴史を学ぶワークショップなども開催予定。
営業は木、金、土曜午前11時~午後5時(ラストオーダー午後4時半)。住所は八重瀬町東風平352の1、電話098(995)8951。
(普天間伊織)