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「性教育とは人権教育」 八重瀬町で教職員ら84人研修 沖縄


「性教育とは人権教育」 八重瀬町で教職員ら84人研修 沖縄 子どもが性被害に遭った場合の対応についてグループで討議する参加者ら=7月26日、八重瀬町の南の駅やえせ
この記事を書いた人 Avatar photo 岩切 美穂

 八重瀬町の具志頭校区の小中学校教職員らを対象とした合同研修会が7月26日、同町の南の駅やえせで開催された。「包括的性教育」をテーマに教員や保育士らが、人権教育に基づいた性教育の在り方や、子どもが性暴力被害に遭った際の対応を学んだ。

 研修会は具志頭中、具志頭小、新城小の教職員対象に年1回、テーマを変えて実施している。今年はこども園、保育園の職員も含め計84人が参加した。

 講話した臨床心理士の崎原林子さんは「性教育とは人権教育である」として、4~12歳の初等教育段階での性教育に力を入れているオランダの授業風景を紹介した。

 オランダでは子どもたちが性に関する考えを臆することなく発表し、教員はどの意見にも判断を差し挟まないことに触れ「自分の考えを言っても笑われたり文句を言われたりしない、『NO』と思ったら『NO』と言っていいという尊重される経験や、『心の安全』の感覚を育むことが大事。自分自身を大切にし、相手の考えも尊重する心につながる」と強調した。

 討議は「女子中学生が交際相手にSNSで裸の写真を拡散された」など五つの創作事例を題材に、性暴力被害への対応を話し合って発表し、助言を受けた。

 具志頭中のモンテローラ・カイラ・マリエレイゴ教諭は「崎原さんの『性教育は人権教育だ』という言葉に共感した。人が人であることを大切にする人権教育に取り組んでいきたい」と話した。

 (岩切美穂)