【宮古島】日本航空(JAL)グループは23日から、宮古島市の宮古空港で運用している貨物や手荷物などをけん引するトーイングトラクターの燃料に、環境負荷が少ない植物由来の廃食用油を原料とするバイオディーゼル燃料「B100」の使用を開始した。全国の離島空港では初めての取り組み。
同燃料は、食用油の原料の植物が成長する過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するため、燃料として使用した際のCO2排出量が実質ゼロになる。また、通常の軽油を使用した場合に比べて1リットル当たり2.62キログラムの二酸化炭素排出量削減が見込める。
燃料を製造するのは糸満市に本社を置くアトラスで、本社や宮古工場で作った燃料を使用する。アトラスは、宮古島市内にあるほぼ全ての飲食店の廃食用油を回収している。JALによると、同燃料を使用するトラクターは2台だが、今後台数を増やしていく予定だ。
アトラスの来間和博代表取締役は「市内で使用された油が燃料としてこちらで使われ、エネルギーの地産地消ができることはうれしい」と語った。JAL宮古空港所の荻堂美枝子所長は「JALグループの中で全国的な展開をしていきたい」と意欲を示した。
嘉数登副市長は、市が2018年に「エコアイランド宮古島宣言2.0」を発表したことなどに触れ「宮古圏域の人・物流の拠点でCO2削減に取り組むことは、観光地宮古のセールスポイントを大きく進展させる」と期待した。 (友寄開)
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宮古空港作業車に廃食用油 日本航空G 離島で初、エネ地産地消
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琉球新報朝刊