自宅改装、夢の食堂オープン 名護・金城さん ちだもと食堂 甘めのチキン、自慢のそば 沖縄


自宅改装、夢の食堂オープン 名護・金城さん ちだもと食堂 甘めのチキン、自慢のそば 沖縄 自宅を改装し、夢だった食堂をオープンさせた金城清二さん=8月15日、名護市大北
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 名護市大北の住宅街で、金城清二さん(61)が自宅をリフォームして夢だったという食堂をオープンした。団体職員として保険関係の職に34年間就いていたが、退職を機に一念発起して6月に開店した。飲食業で勤務した経験もない中で、精算や調理も1人で切り盛りする「ワンオペ営業」。苦労も絶えないというが、おいしい食事で喜んでもらおうと、オープンキッチンに立ち笑顔で客を出迎えている。

 店名は「ちだもと食堂」。本部町渡久地にあり、妻の実家だった「ともだち食堂」を逆さに読んで使っているという。ともだち食堂は義母の外間春子さんと、義理の姉の喜納和子さんが営み、1975年から2009年4月の閉店まで、約35年にわたり親しまれてきた。

 閉店を惜しみ、名物だった甘めのチキン唐揚げの味を「復活してほしい」との要望が、喜納さんに寄せられていたという。金城さんは喜納さんから当時のレシピを受け継ぎ、ちだもと食堂でも提供したところ、人気の商品になった。

そばとチキン唐揚げのセット
そばとチキン唐揚げのセット

 看板メニューの沖縄そばは、かつおだしベースで、団体職員だった時代から研究を重ねた自慢の逸品だ。

 店舗はカウンター5席、テーブル8席。リフォームに関わったCSハウジングの中本益也社長は「玄関から導線を考え、客席、厨房(ちゅうぼう)の配置を提案した。金城店主の長年の夢をかなえる手伝いができてうれしい」と話した。

 小さい頃から沖縄そばが大好きで、父と「そば屋巡り」をしていたという金城さん。「30代、50代と、そば屋を開きたいと思うタイミングもあったが、家族のことを考えると踏み切れなかった」と話す。こだわりの詰まった厨房で始まった新たな挑戦。アットホームな店舗を目指す金城さんのまなざしは熱い。

 (比嘉藍子通信員)