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沖縄・大宜味の長寿、秘訣探る 群馬パース大大学院 元気な高齢者の多さ着目


沖縄・大宜味の長寿、秘訣探る 群馬パース大大学院 元気な高齢者の多さ着目 高齢者の測定をする木村朗教授(右)と田辺将也助教(左)=9日、大宜味村喜如嘉公民館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

【大宜味】健康長寿の秘訣(ひけつ)を研究している、群馬パース大学大学院保健科学研究科の木村朗教授と田辺将也助教が、大宜味村内の高齢者を対象に「長寿に関する身体活動能力測定」を実施している。

 木村教授は、大宜味村内の高齢者が庭先でシークヮーサーを摘み取る習慣があることに着目した。村社会福祉協議会の協力を得て2015年から5年継続して、90歳以上の村内高齢者50人を対象に、果実を摘み取る模擬テストを実施した。

 リズム良く動作を行っている高齢者の血管が柔らかくなっており、元気に自立した生活を送ることが予測できる「健康余命の推定」研究で、2020年に「アメリカリハビリテーション医学会議」でポスターアワードを受賞した。

 今回の調査は、ミニデイサービスに通う元気な高齢者らが、数年先も自立した生活が送れるかどうかを確かめるもの。立ち上がり、歩行、血管細胞の水分量などを測定した。

 木村教授は「元気で自立している90歳以上の高齢者が多い大宜味村は国際的にも珍しい。長寿の要因はまだ解明されていない。10年計画で調査をして、2年後の発表を予定している。健康寿命の調査結果は社会保障に役立つと思う」と話した。

 公民館のミニデイに毎回通っている福地まつさん(103)は「足が少し痛いときもあるけど、歩いたら元気になるさ。写真もきれいに撮ってね」と笑顔で測定に応じた。

 (安里郁江通信員)