糸満市立高嶺小学校の移転改築計画の見直しと、9月に判明した同小校舎からの金属製校章の落下事故について、市と市教委は10日と20日に保護者らへの説明会を同校で開催した。
當銘真栄市長は、計画見直しで高嶺中との小中一貫校の開校が遅れることを謝罪し、現行計画より1年遅れの2029年度の開校を目指して「最善を尽くしたい」と述べた。
市は計画見直しの理由として、事業費が当初の23億円から40億円へ大幅に膨らんだことや、真栄里地区の開発で児童生徒数が各学年20人近く増えることなどを挙げた。その上で現行の用地拡張案と高嶺中の南東部への拡張案を再検討することや、事業費を30億円程度に抑制する方針を示した。
校章落下事故を受けた対策としては、10月中にも老朽化した現校舎の緊急点検を実施。移転改築に伴う運動場への仮設校舎建設は、建築許可が下り次第、着手し、3学期には供用開始する見通しだという。
保護者からは、子どもたちの安全確保を求める声が上がった。桃原民生さん(53)は「移転改築計画は早い方がいいとも思うが、さまざまな要因もあり一概に言えない。まずは仮設校舎を一日も早く建ててほしい」と求めた。中学生の保護者の40代女性は「小学校校舎は、以前から雨漏りや屋根の一部崩落があった。移転改築を早く進めてほしい」と話した。
校章の事故について、学校から保護者への報告が把握から3日後だったとして「いろんなことが遅い。命に関わる問題。校舎の緊急点検も急いでほしい」との声もあった。
(岩切美穂)