高校野球の第73回県秋季大会第3日は16日、アグレスタジアム北谷などで1回戦6試合を行った。名護は5―4で中部商を、八重山商工は6―4で宮古を、八重山は11―0の五回コールドで久米島を、与勝は9―3で名護商工・本部・辺土名・北部農林・沖縄高専を、沖縄工は8―1の七回コールドで北山をそれぞれ制した。浦添商業―美来工科の試合は雨天で継続試合となった。17日は沖縄セルラースタジアム那覇など3球場で、継続試合を含む1回戦7試合を実施する。
同点に追いつかれた最終回。1死一、二塁で名護の主将、大城匠が捉えた白球は左中間へのサヨナラ適時打になった。逆転勝利を収めると、大城匠はガッツポーズを決めた。
打撃を課題に夏休みから「バットを振りまくった」という名護。迎えた秋の大会1回戦は初回から先制のソロ本塁打を浴び、暗雲が漂った。しかし四回で宮里康輝が「思い切りいった」適時打をセンターへ運び逆転。その後も点を重ね、4―2とした。悪天候で二度の中断を挟んだが、そのたびにチームは円陣を組んで気合を入れ直した。
リードして迎えた最終回では、好投を見せていた2番手の池宮城悠が安打を許して4―4の同点に追いつかれた。最後の攻撃では一打サヨナラの好機が池宮城に回ったが打ち取られてしまう。続いた大城匠が振り抜いた球は「抜ける」と上がった瞬間に確信。主将の一振りが決勝点となった。
當銘樹監督は「精神的にきつい中で頑張った」と選手らをねぎらう。大城匠は次戦へ向け「相手がシード校など気にせず、自分たちの野球で戦う」と気合は十分だ。
(名波一樹)