高校野球の第73回県秋季大会第5日は18日、沖縄セルラースタジアム那覇などで2回戦7試合を行った。宜野座はエナジックに2―1、コザは糸満に2―0、知念は小禄に1―0で競り勝った。宜野湾は4―1で那覇を制した。球陽は5―2で読谷に打ち勝ち、沖縄尚学は6―3で沖縄工を破った。那覇工・首里東は南部商・豊見城南・那覇西と戦い、17―2の五回コールドで大勝した。
19日は正午から、浦添商―美来工科、ウェルネス沖縄―与勝の継続試合が行われる。
知念のエース山内奨也が9回120球を投げきり、小禄を完封で制した。多彩な変化球を織り交ぜ、打たせて取る投球で的を絞らせなかった。高く浮いたカーブを捉えられることもあったが、制球が安定したスライダーとチェンジアップで補った。
1回から小禄の金城輝明との投げ合いとなったが、「相手は気にせず、自分の投球だけに集中した」。持ち玉の変化球が、打者の直前まで直球と同じ軌道を描くよう練習してきたといい、内野ゴロや外野フライを量産した。
投手戦の均衡を破ったのも山内自身だった。六回、知念は連打や四球で2死満塁とすると、山内が打席へ。初球の変化球を捉えて右前へと運び、欲しかった1点を自らのバットでもぎ取った。
山内はこれで「気持ちが楽になった」と試合終盤も好投を続けた。八回に2死二、三塁の危機を招いても「スイッチが入った」と動じることなく、最後の打者に対してはこの日最速の129キロの直球で見逃し三振を奪ってみせた。
少ない好機で1点をつかみ、それをみんなで守り切る野球を理想としている。山内は「次の試合も0点で抑える」と自信をのぞかせた。
(砂川博範)