高校野球の第73回県秋季大会第8日は24日、沖縄セルラースタジアム那覇など3球場で3回戦8試合が行われ、8強が出そろった。宜野座は那覇工・首里東と対戦し12―1、沖縄尚学はウェルネス沖縄に11―0、知念は球陽に11―0、興南はKBC未来に9―0とそれぞれコールド勝ちした。沖縄水産は6―1で首里を下し、美里工は6―3で中部農林を破った。具志川商は6―3で前原を制し、コザは4―3で宜野湾に競り勝った。30日は準々決勝4試合を行う。
沖縄尚学のエースナンバーを背負う入里凜が、球威のある直球と精度の高い変化球を駆使した投球で被安打1、無失点と快投した。打線は二回に打者一巡の猛攻で8得点するなど、好投するエースを援護。「これで楽になった」と入里は最後まで伸び伸びと腕を振り続けた。
相手は今夏の選手権沖縄大会決勝で対戦したウェルネス沖縄。その時は沖尚が勝利し甲子園出場をつかんだが、4月のチャレンジマッチでは延長でサヨナラ負けを喫している。入里は「自分たちの代では1回も負けない」と、より力が入っていた。
序盤から外角低めなど際どいコースを突いていった。カーブでカウントを整え直球で押すと、最後は決め球のスライダーを振らせて凡打を量産。四回まで無安打投球を続けた。
失投は五回の先頭打者に中前へ運ばれた1球だ。「カウントを取りに行って甘く入った」と反省する。それでも無死四球と、ほぼ完璧な内容で「腕がきちんと振れていた」と手応えを感じている。
一つ上の世代は春夏連続で甲子園に出場し、夏はベスト8の実績を残した。現チームには甲子園でベンチ入りしたメンバー2人が残り、再び聖地を目指す。主砲の伊智司耀矢は「ヒットエンドランやバントなど小技で得点することを理想としている。次も自分たちの野球を見せつけたい」と力強く語った。
(砂川博範)
●沖縄尚学にコールド負けを喫したウェルネス沖縄の大濵安綺主将 沖縄尚学は手ごわかった。打撃力が違うと感じた。沖尚が相手でも考えすぎないよう心掛けたが、失策から崩れた。ここからチームとしてどのくらい伸びるのかが重要だ。一から鍛え直す。