サッカー元日本代表でJ1札幌のMF小野伸二が、44歳の誕生日を迎えた27日に今季限りでの現役引退を表明した。自身のインスタグラムに「今シーズンを最後に、プロサッカー選手としての歩みを止めることを決めました」と記した。クラブも正式に発表した。
静岡県出身で、1998年に清水商高(現清水桜が丘高)から浦和入り。天才的なセンスで注目され、日本代表では98年ワールドカップ(W杯)フランス大会に、今も日本の最年少記録となる18歳で出場。99年世界ユース選手権(現U―20W杯)では準優勝に貢献した。当時、有望な若手がそろった「黄金世代」の筆頭格の選手として活躍し、2001年にフェイエノールト(オランダ)へ移籍。1季目に欧州連盟カップ(現欧州リーグ)を制した。
W杯は02、06年と3大会連続で出場し、国際Aマッチ56試合6得点。清水でもプレーしたJ1では206試合29得点。ドイツ、オーストラリアのクラブでもプレーした。
(共同通信)
「沖縄をサッカー王国に」FC琉球でも活躍
小野は2019年8月に当時J2で戦っていたFC琉球にJ1北海道コンサドーレ札幌から完全移籍で加入した。入団会見では「沖縄をサッカー王国にしたいという(FC琉球)会長の思いに賛同した」と思いを語った。
同年8月17日に沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行われた横浜FC戦は、横浜に三浦知良、中村俊輔選手ら日本代表経験者がいたこともあり、ホーム観客数最多となる約1万2千人がスタジアムに詰めかけた。柔らかなタッチでボールを操り、視野の広さや技術の高さでファンを魅了した。
ただ、けがの影響もあり、シーズンを通して出場時間が限られた。若手選手を中心にチーム内に刺激を与え、ピッチの外でもさまざまなイベントに参加して存在感を示し、沖縄のサッカー界を盛り上げた。
20年12月、2シーズン在籍した琉球を退団。21年1月に再びJ1札幌に復帰した。
(大城三太)
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