宜野座―沖縄尚学 5回2死一、三塁、沖尚の宮城泰成の適時二塁打で生還する一走・足立伶凰＝1日、タピックスタジアム名護（喜瀬守昭撮影）
砂川 博範 タピックスタジアム名護で行われた高校野球の第73回県秋季大会準決勝は沖縄尚学と興南がそれぞれ勝利をつかみ、沖尚は2年連続17度目、興南は2年ぶり18度目の決勝進出を果たした。両校は来春の選抜大会の参考資料となる第153回九州地区大会（10月28日～11月3日、福岡県）への出場も決めた。
沖縄尚学と宜野座の第1試合は互いに一歩も譲らない点の取り合いとなり、六回に連打や犠飛などで3点を追加した沖尚が競り勝った。興南と具志川商の第2試合は、興南が二回に4点を獲得して序盤からリード。興南は七回にも3点を加え、コールド勝ちを収めた。投げてはエース田崎颯士が被安打3で完封した。沖尚と興南の決勝は7日午後1時からタピックスタジアム名護で行う。
足立が粘り、４打点
沖縄尚学が逆転に次ぐ逆転で乱打戦を制した。序盤は宜野座に試合の主導権を握られるが、選手たちは「点を取られても取り返す」と気持ちを高め合い、全員野球で勝利をつかみ取った。6番足立伶凰はチーム最多の4打点を挙げるなど、副主将としてチームをもり立てた。
沖尚はエース入里凜ら投手陣が宜野座打線に捕まり、試合序盤からリードを許した。それでも主砲伊智司耀矢や足立らの安打で点を重ね、何とか食らいついた。
メンバーに1年生も多いことから、足立は「自分が流れを持ってくる」と奮起し、プレーで範を示すことを決意。3点を追いかける五回2死二、三塁の場面では、追い込まれてから打った当たりが三塁前へ。「アウトだ」と思ったが、三塁手の打球処理が遅れているとみて「これはいける」と一塁まで全力疾走した。頭から突っ込んで三安とし、しぶとく1点を加えた。
六回には足立の犠飛で逆転に成功。その後も追加点を挙げ粘り勝った。足立は「全員で優勝して、1位で九州大会に出場する」と強調し、決勝へ向け気持ちを高ぶらせた。（砂川博範）
