26日にあったプロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)で、沖縄尚学高の仲田侑仁選手は広島東洋カープから、ウェルネス沖縄高のワォーターズ璃海選手は東北楽天ゴールデンイーグルスから指名を受けた。2人は学校で会議の行方を見守り、指名が決まると家族やチームの仲間らの祝福を受け、喜びを爆発させた。夢だったプロの世界。その切符をつかみ、2人は決意を新たにした。
小学校の卒業式で「プロになる」 沖尚・仲田侑仁さん
沖縄尚学高校の仲田侑仁さん(18)は、那覇市の同校で会議の行方をチームの仲間と見守った。「プロ野球選手になる」。小学生のころに目標を定め、周囲に公言してきた。名前を呼ばれた瞬間、わき上がる拍手に照れくさそうな表情を浮かべ、満面の笑みを見せた。
共に練習してきた元主将の佐野春斗さん(18)は「入学した時からプロになると言っていた。試合になると目つきが変わる。見習う部分も多かった」と振り返る。春夏2回の甲子園での活躍を振り返り「チャンスを生かす選手。見えない部分でも練習していたんだと思う。日本を代表するような選手になってほしい」とエールを送った。
知花慎之助さん(18)は1番打者として侑仁さんの前に打席に立ってきた。「チャンスに強くてしっかり打ってくれる。仲田が後ろにいてくれるから、つなげば大丈夫だと思っていた」と話し「長打を生かして活躍してほしい」と期待を込めた。
保護者会メンバーと別室でテレビ中継を見守った父憲仁さん(55)は「小さいころからの夢を実現させた。うれしい」と喜んだ。母みな子さん(55)も「おめでとうと言いたい」と笑顔を見せた。幼少期からバランスの良い食事や早めの就寝を習慣づけ、体づくりをサポートしてきた。「これから厳しい世界に入る。今以上に頑張らないといけない。活躍することでみんなに感謝を伝えてほしい」と期待した。
小学生で野球を始め、卒業式には「将来はプロ野球選手になる」と宣言した侑仁さん。大きな一歩を踏み出し「球団を代表するバッターになりたい」と次の目標を見定めた。
(岩崎みどり)
母の目に涙、同じ野球部の弟もエール ウェルネス沖縄・ワォーターズ璃海さん
楽天から指名されたワォーターズ璃海さん(18)は、日本ウェルネス高等学校沖縄キャンパスでチームの仲間や関係者ら約40名と会議を見守った。璃海さんは「本当かな」と指名に驚く中、仲間からは歓声があがり指笛が鳴り響いた。
璃海さんを支えてきた母真弓さん(46)は「小さいころから野球選手になりたいと言っていた。きつい中でも練習を頑張っていた。自分の持っているものを評価された」と涙ぐみながら指名を喜んだ。
同じ野球部でセカンドを守る弟真佳さん(15)は「自分も緊張していた。レギュラーで出られるよう、持ち味の足で頑張ってほしい」と兄にエールを送る。
2年の大濱安綺さん(17)は「本当にすごいなと思う。おっちょこちょいな先輩だけど、野球になるとスイッチが入る。プロの世界でも頑張ってほしい」と激励した。 (名波一樹)