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ハンド男子日本代表、パリ五輪切符 36年ぶり自力出場 県出身・東江、主将としてけん引「パリに向けて一から頑張る」


ハンド男子日本代表、パリ五輪切符 36年ぶり自力出場 県出身・東江、主将としてけん引「パリに向けて一から頑張る」 優勝を喜ぶ日本代表の東江雄斗主将(下段左から2人目)=29日未明、カタール©JHA/Yukihito-Taguchi
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 ハンドボールのパリ五輪男子アジア予選最終日は28日、カタールで決勝が行われ、日本はバーレーンに32-29で勝ち、開催国枠で出場した2021年の東京五輪を除いては1988年ソウル五輪以来となる出場権を獲得した。

 東江雄斗(興南高―早大出、ジークスター東京)は36年ぶりに自力で五輪切符をつかんだ歴史的瞬間をベンチで迎えた。バーレーンに勝利して優勝を決めた瞬間、仲間に駆け寄ったベンチメンバーをよそに、東江だけが椅子に座り続けていた。手で顔を覆い、涙を流していた。その後、顔をくしゃくしゃにして仲間と抱き合った。東江が日の丸を羽織って表彰台に登った。

 決勝のバーレーン戦は必ずしも出場時間は多くなかったが、前半14分ごろ、流れを相手に譲った8―8の場面で投入された。短い時間で再び流れを引き寄せることはできなかったが、果敢にシュートを放つなど大事な場面でゲームメークに絡んだ。

バーレーンとの決勝で仲間に声掛けする東江雄斗(中央奥)©JHA/Yukihito Taguchi

 東江は予選から決勝までの全6試合に試合に出場し、時間の長短はあっても大事な局面で出てくることが多かった。東京五輪で8強入りした強敵、バーレーンとの予選リーグ2試合目は、16―18の後半8分ごろから出場し、プレーメーカーとして活躍。27―26で競り勝つと、チームを勢い付かせた。

 続く予選3試合目は9~10月の杭州アジア大会で敗れたクウェートとの対戦だった。前半から2得点を挙げる活躍を見せ、32-20で勝利して予選突破に貢献した。準決勝の韓国戦でも東江の投入から日本が流れをつかみ、逆転した勢いのまま快勝した。

優勝を喜ぶ日本代表のメンバーら=29日未明、カタール©JHA/Yukihito Taguchi

 東京五輪で司令塔を全うした30歳のベテランは、今大会では主将を務めた。試合後、ハンドボール日本代表のX(旧ツイッター)でファンに感謝のコメントを寄せた。「今まで悔しい思いをしてきた先輩たちの分も結果で残せて非常にうれしい。また来年、パリ五輪に向けて一から頑張る」。東京からパリへ、再び五輪の舞台へ歩みを進めた

(古川峻)