特別全国障害者スポーツ大会(燃ゆる感動 かごしま大会)が28日、鹿児島市の白波スタジアム(鹿児島県立鴨池陸上競技場)で開幕した。県勢はボッチャ競技で兼村星哉と山崎陽太ペアが金、陸上車いす200メートルの山城一真が銀、陸上立ち幅跳びの豊平朝清が銅メダルを獲得した。
同大会は当初、2020年の開催を予定していたものの、新型コロナウイルスの影響で3年延期されたため、「特別大会」としての開催となった。
白波スタジアムで28日に開かれた開会式では、全国から集まった約2800人の選手団が一堂に会した。県選手団は1番目に入場。おそろいのジャージーを着用し、手を振って会場からの歓声に応えた。旗手を務めたソフトボール投げの伊波佑子(53)は「スタンドの大きな声援に感動した。涙が出た」と鹿児島の地をかみしめながら歩いた。
(渡真利優人)
沖縄ボッチャクラブ所属の兼村星哉(18)=沖縄大1年=と山崎陽太(15)=沖縄市立山内中3年=ペアが、ボッチャ競技で金メダルを獲得した。前回大会から正式競技となった同種目で県勢は昨年の銀に続き、2年連続のメダル獲得となった。
試合本番では対戦相手の2チームが人数不足により大会の条件を満たしていないとされ、県代表は無条件の金メダルとなった。思わぬ展開に2人は不完全燃焼となったものの、対戦は実施され、異郷の地でのプレーをかみしめた。
2大会連続出場となった兼村は「ボールの力加減が難しかった」と話し、的であるジャックボール(目標球)への投球にばらつきが出たことを課題とした。ただ、自身のボールを新調後、初めての大会。「うまく投げられる方法をつかみかけている」と話し、大会で得た課題と成果を次大会出場の望みへとつなげた。
初出場の山崎は、「相手がどこまでジャックボールに近付けてくるのか緊張した」とプレーを振り返る。ランプ(勾配具)を調整するオペレーターとは滞在先のホテルでも練習を重ねた。試合前の練習で培ったコンビネーションがプレーに一役買った。
ランプオペレーターを務めた沖縄大2年の津曲(つまがり)颯斗(20)は試合前の公式練習で会場の床が滑りやすいと判断し、ランプの高さと補装具を微調整した。「今までの練習が成果に結びついた。仲もより深まった」と3人のチームワークを再確認した。
(渡真利優人)