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仲里が銅メダル レスリングU23世界選手権 90キロ超の階級では男子初


仲里が銅メダル レスリングU23世界選手権 90キロ超の階級では男子初 U23世界選手権の男子グレコローマンスタイル97キロ級3位決定戦で果敢に攻める仲里優力(奥)=28日、アルバニア(日本レスリング協会提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 レスリングの2023年U23世界選手権第6日は28日、アルバニアのティラナで行われ、男子グレコローマンスタイル97キロ級の仲里優力(北部農林高―日体大出―佐賀県スポーツ協会)が、ムラド・アフマディエフ(アゼルバイジャン)との3位決定戦を3―1で制し、銅メダルを獲得した。昨年の7位から大きく順位を伸ばす結果となった。日本レスリング協会によると、90キロを超える階級でのメダル獲得は男子の両スタイルを通じて初だという。

「世界でも戦える」自信に

 仲里優力(北部農林高―日体大出―佐賀県スポーツ協会)は世界を相手に「前に出て攻めるレスリング」を貫き、銅メダルを勝ち取った。体が大きく力も強い海外選手との戦いは苦しかったというが、自分のレスリングでメダルをつかんだ経験は「世界でも重量級で戦える」と自信になった。

 3位決定戦はU23の欧州王者が相手だった。強敵だが「スタンドでは負けない」と自信はあった。前半から果敢に攻め続け、1点を奪取。しかし後半で相手に1点を奪われた。このまま1―1で試合を終えれば、最後に点を取った相手が勝者となる。

 「取り返してやる」と焦りはなかったが、試合終了が近づくと「敗北」の二文字が頭をよぎった。それでも「ここで負けるのは嫌だ」と得意な技へと展開。試合終了間際の残り10秒で2点を奪って勝利を決めた。「グラウンドでもう少し攻め返せれば楽な試合ができた」と振り返った。

 目標とするパリ五輪出場には、まずは12月の天皇杯全日本選手権の優勝が絶対条件だ。「ここを勝たないとオリンピックとかも言えない。国内で圧倒し、オリンピックトライアルに出る」と闘志を燃やした。


 (名波一樹)