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大分車いすマラソン、上与那原4年ぶりV パリパラ代表入りへ弾み「絶対に入りたい」


大分車いすマラソン、上与那原4年ぶりV パリパラ代表入りへ弾み「絶対に入りたい」 男子T33/52クラスで1位でフィニッシュする上与那原寛和=19日、大分県(大分合同新聞社提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 第42回大分国際車いすマラソンは19日、大分県庁前―ジェイリーススタジアム前のコースで行われ、男子(T33/52クラス)は上与那原寛和(SMBC日興証券)が1時間54分30秒で優勝した。女子(T34/53/54クラス)の喜納翼(琉球スポーツサポート)は1時間44分49秒で女子日本勢トップの4位だった。女子はカテリーヌ・デブルナー(スイス)が1時間35分11秒で世界新記録を更新して優勝した。男子(T34/53/54クラス)はマルセル・フグ(スイス)が1時間17分51秒で5年連続11度目の優勝を成し遂げた。鈴木朋樹(トヨタ自動車)が1時間23分58秒で日本勢トップの2位だった。

県勢初、5大会連続目指す 残り4キロ、下りで引き離しV

 男子T33/52クラスの上与那原寛和が(SMBC日興証券)が4年ぶりに優勝を決めた。杭州アジア大会を終え、10月末に帰国したばかり。調整不足は否めず、完走が目標だっただけに「まさか優勝するとは」と驚いた。

 常に競り合ってきた佐藤友祈には、スタート前に「自分のペースで行くよ」と話しかけた。レースはオーバーペースにならないように走ると、約7キロの地点で前の佐藤を捉えた。そこから抜いて抜かされる展開を続けた。

 約30キロ地点から佐藤が登りで遅れを取る場面が目立ち始める。残り約4キロ地点の下りで引き離すと、そのまま差を広げた。2位の佐藤と2分6秒差で優勝。「年内最後の国際大会をいい形で終えた」と今後に弾みをつけた。

 県勢で前人未到のパラリンピック5大会連続出場を目標に掲げる。「この冬が勝負になる」とトラックで使う車いすの空気圧や、持ち手のグローブの当て方などをミリ単位で微調整する。

 来年5月の世界選手権などで、現在の世界ランク6位から3位以内に上げることを目指す。6月の日本選手権後に代表発表がある。「絶対に入りたい。自分だけの思いではない」。期待を背に走り続ける。

 (古川峻)

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 【男子】

▽T33/52クラス (1)上与那原寛和 1時間54分30秒

▽ハーフT34/53/54クラス (4)仲泊厚志 48分9秒(5)城間圭亮 48分9秒(57)山入端清宗 1時間16分46秒(75)荻堂盛助 1時間43分16秒(76)比嘉諒人 1時間43分17秒

▽ハーフT33/52 (11)比嘉三男 1時間32分20秒、洲鎌敏美=棄権、新里優=棄権