プロ野球の広島東洋カープからドラフト4位指名を受けた沖縄尚学高の仲田侑仁選手(18)が27日、那覇市のロワジールホテル那覇で球団関係者との入団交渉に臨み、契約に基本合意した。契約金は3500万円、年俸は500万円(いずれも推定)。約1時間の交渉後、同ホテルで会見を開き、落ち着いた様子で記者の質問に答えた。沖縄尚学高の制服に赤いキャップをかぶると、笑顔で写真撮影に応じた。
仲田は「気合を入れて頑張ろうと思う。打ってほしい場面で打てるようなバッターになる。子どもたちが自分も野球をやりたいと思うようなプレーをしたい。ホームラン王と打点王になりたい」と意気込んだ。
球団スカウト部の末永真史氏は「長打力はもちろん、勝負強い打撃ができる貴重な右の大砲候補だ。本塁打王や打点王を狙えるような選手になってほしい。厳しい練習にも耐えられる根性と体の強さを持っていると思う」と期待を込めた。
仲田の隣で会見を見守った父・憲仁さんは「けがなく、楽しく自分が納得いくようなプレーで、周りの人に夢を与えられるような選手になってほしい」と願った。
仲田は強打が持ち味で、高校通算本塁打は22本。春の選抜では1回戦で満塁弾、夏の全国選手権では準々決勝の慶応戦で2点先制本塁打を放つなど、勝負強さを発揮した。一塁手、右投げ右打ち。186センチ、99キロ。泊小(泊ファイトクラブ)―那覇中(浦添ボーイズ)―沖縄尚学高。
(名波一樹)
■仲田「いち早くレギュラーに」
仲田侑仁選手の会見での一問一答は次の通り。
―球団からの期待をどう捉えているか。
「4位という良い順位で呼ばれたのは、長打力を買われての指名だと思う。期待に応えられるよう頑張る」
―4番へのこだわりは。
「チャンスに強く、チームを引っ張るバッターが4番。自分もそうなれるよう、他の選手に負けないように頑張りたい」
―その分、重圧もあるが。
「プレッシャーは好きな方。チャンスが回ってきた方が、気持ちも入る」
―新井貴浩監督について
「ホームランの映像を何度か見たことがある。すごいバッターだ」
―今はどんな練習をしているのか
「(沖尚野球部の)現役生と一緒に練習に入っている。木のバットも触っている」
―広島は練習が厳しいと有名だが。
「誰にも負けない練習量で、いち早くレギュラーになりたい」
―今までの野球人生で転機になった場面は。
「去年の神宮大会でエラーして、相手にチャンスを与えてしまった。守備は嫌いだったが、考え方が変わり、コーチに守備を教えてもらった」
―目標の選手は。
「岡本和真選手(巨人)。高校2年の時にバッティングを参考にした。重心を低く構えて、打球が飛ぶようになった」
―広島のイメージは
「行ったことはないが、お好み焼きのイメージだ」
―好きな食べ物と嫌いな食べ物は。
「好きな食べ物は焼き肉。嫌いなものはトマト、食感が嫌い」
―好きな言葉、モットーは。
「笑顔。どの場面でも楽しむと決めているので、笑うことを大事にしている」
―今からどのようにチームに合流していくか。
「練習についていけるような体力作りをしていきたい」
―契約金の使い道は。
「取りあえずは貯金する。なるべくは年俸で稼いで、そこから使えるようにしたい」
―沖縄の子どもたちにひとこと。
「野球の楽しさを自分のプレーから感じてもらいたい」