バスケットボールBリーグ 事業規模急成長 キングス、入場収入J1並み


バスケットボールBリーグ 事業規模急成長 キングス、入場収入J1並み 大勢のファンで埋まった琉球ゴールデンキングスの本拠地、沖縄アリーナ=12日((C)B.LEAGUE)
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 22日発表のバスケットボールBリーグの2022~23年シーズン決算で、1部(B1)2部(B2)全38クラブの売上高の合計が初めて400億円を超える415億円となった。リーグ初年度の16~17年は150億円で、約2.8倍の規模に成長。入場料収入だけで見るとサッカーのJリーグ1部(J1)上位に匹敵するクラブも現れ、島田慎二チェアマンは「飛躍の土台となったシーズン」と総括した。

 21~22年は300億円で、115億円増と大きく伸びた。背景にあるのがリーグ主導の構造改革だ。26年に新たなトップカテゴリー「Bリーグ・プレミア(Bプレミア)」が発足する予定で、参入を目指すクラブは「アリーナ」「売上高」「入場者数」の厳しい基準をクリアする必要がある。「リーグから高いハードルを課せられ、おしりをたたかれている」(B1クラブ幹部)状況で、集客や資金力の強化に懸命に取り組んできた。

 トップランナーがB1琉球ゴールデンキングスだ。21年に完成した約8千人収容の沖縄アリーナを本拠地とし、22~23年の入場料収入は断トツの約10億1400万円。J1の22年シーズンの入場料収入と比較すると、3位の横浜Mとほぼ変わらない。島田氏は「ものすごくポジティブ」と評価し、バスケ人気の高まりと各地の大規模アリーナの建設や計画により、今後は肩を並べるクラブが相次ぐとみている。

 28年に約1万2千人収容の新本拠地が開業する川崎の元沢伸夫会長は「バスケットは若い世代に支持され、急激に伸びている。(将来的に)サッカーぐらいの市場になってくる」と期待する。選手の獲得競争の過熱で人件費が高騰している課題もある。Bプレミアではクラブの健全経営や戦力均衡化のため、昇降格制度を廃止し、年俸総額の上限を定めるサラリーキャップやドラフトを導入する予定だ。

(共同通信)